人工産卵場試験造成結果報告 |
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昨年(2008年)、第9回Fisher's Holidayの渓流エコロジスト会議のなかで取り上げた「人工産卵河川・人口産卵場」ですが、このたび人工産卵場の造成を試験的に実施いたしました。今回実施した場所は峠川キャッチ&リリース区間内の、下流から数えて2番目と5番目の堰堤直下で、アマゴの産卵期前に5箇所造成しました。この峠川C&Rエリアは、2002年6月から漁協による渓魚の放流は一切行われておりませんが、C&Rルールの徹底により、自然再生産だけで充分に釣り場としての機能を維持しております。あえてこの区間に人工産卵場を造成する必要はなかったのかもしれませんが、産卵期まで確実に親魚が残る場所、ということで今回C&R区間内に選定いたしました。 |
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また、堰堤直下であることと、産卵によさそうな流速のポイントでありながら、魚が掘るのに適当な砂利がほとんどないような場所をピックアップし、同河川内から採取した礫と砂利を運び造成しました。小規模な産卵場を造成しましたが、すべて人力だけの作業であったこともあり、5人で丸一日を要しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【造成前】 |
【川底の掘り下げ作業】 |
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【礫採取作業】 |
【完成】 |
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造成後の追跡調査につきましては、視認調査を数回行い単独の個体やペアらしきものはいくつか確認できたものの、産卵行動そのものを確認することはできませんでした。そこで11月に入りイワナの産卵調査のとき に少々乱暴だったかもしれませんが、産卵場の砂礫を掘り返したところ、5箇所中3箇所で産卵があり、卵を確認することができました。それも思っていたよりかなり深く産みつけられており少々驚きました。産卵魚がいたにもかかわらず、産卵確認ができなかった2箇所(増水で崩壊した1箇所を含む)につきましては、残念ながら選択した場所に問題があったと考え、次回以降の場所選定の参考にしていきたいと思っております。 |
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記 |
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調査報告書作成者 斉藤 彰一 |
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